プロトタイプ「Hallucigenia 01(ハルキゲニア・ゼロワン)」は、研究のためのプラットフォームである。研究自体が端緒についたばかりであるため、その仕様、構成については手探り状態であり、あくまでも実験体である。今後、Hallucigenia 01を使って様々な制御技術や応用動作、ソフトウェアを開発し、将来の実用的な技術仕様を見極めるための研究が継続される。
同時に、このプロトタイプは、ハルキゲニア・プロジェクトがもたらすものを人々に伝えるためのショーピースでもある。ハルキゲニア・プロジェクトの技術コンセプトを、まずはかたちにして多くの人々に新しい考え方、技術開発の方向性を呼びかけたい。この発表が契機となって、実車スケールの実験機を作るためのより大きな開発体制が整うことを願い、発表に至った。




  • 8つの小径ホイールを持つ多目的乗用車の1/5スケール走行実験試作車。
  • それぞれのホイールは4つのモーターを持つ自在脚となっており、脚ごとのサテライトコンピュータがコントロール。
  • ホイール群が協調動作を行うことで、自由な平行移動、その場回転、水平を保ったままの登坂や段差の乗り越えなどが可能。
  • バッテリーや制御系も床下に実装し、フラットなフロアを実現。汎用プラットフォームという技術コンセプトを具現化。
  • 車体上部に実装されたデザインは、このフロアがもたらす多様なデザインの一例である。上部を簡単に脱着できる構造にすることで、将来、レスキューなどの特殊車両や福祉車輌、物流用などとしてのデザイン展開を可能にしている。
全長 537mm(実車相当:2685mm)
全高 320-360mm (実車相当:1600-1800mm)
(リフティング関節ニュートラル時:335mm]
全幅 331mm (実車相当:1655mm)
最低フロア高さ 73mm(実車相当:365mm)
最大フロア高さ 113mm(実車相当:565mm)
搭載センサ 関節角度計:24、ホイール制御用エンコーダー:8、
3軸傾斜センサ:1、モーター出力計測用電流センサ:32
ワイヤレスモデム装備
CPU メインCPU × 1
サブ CPU ×12
レベリング
路面に影響されずフロアを水平、一定位置に保つ制御

レベリング+ドライブ・オーバー
フロアの高さと水平を保ったままギャップや障害物を乗り越える
レベリング+アップヒル
フロアを水平に保ったまま坂を上る


フローティング
車体の進行方向に関わらずドライバーの意図した方向に車体の向きを保持する

フローティング・ターン
車体の向きを変えないで進行方向を変える
フローティング・スラローム
車体の向きを変えないでジグザグに走行する


スピニング
車の進行方向に関わらず、ドライバーの意図した方向に車体の向きをかえる

センター・アクシス・スピニング
その場回転
プラネタリー・スピニング
走行しながら進行方向と関係なく車体の向きを変える